スマートプロセスオートメーション(SPA)とは?業務プロセスを自動化する仕組みを解説
日々の業務には、データ入力、確認、承認、担当者への通知、次の工程への引き継ぎなど、同じ手順を繰り返す作業が数多くあります。
こうした定型業務を毎回手作業で行うと、時間がかかるだけでなく、入力漏れや対応忘れも起こりやすくなります。そこで役立つのが業務自動化です。
この記事では、業務自動化の基本、RPAとの違い、Bitrix24のスマートプロセスオートメーション(SPA)の仕組み、実際の活用例を紹介します。
業務自動化とは?
業務自動化とは、決められた条件や手順に沿って行う処理をシステムに実行させることです。
すべてを無人化する必要はありません。入力や通知などの定型処理を自動化し、確認や承認、例外対応など判断が必要な部分を人が担当する方法もあります。
請求書処理を自動化する場合
たとえば、経理担当者が請求書を受け取るたびに、次の作業を行っているとします。
- 請求書の情報を登録する
- 金額や内容を確認する
- 承認担当者へ依頼する
- 承認結果を経理へ共有する
- 処理済みとして記録する
この流れをシステム上で管理すれば、請求書の登録をきっかけに担当者へ通知したり、承認後に次のステージへ進めたり、タスクを自動作成したりできます。
担当者は毎回同じ処理を繰り返すのではなく、内容の確認や例外対応など、判断が必要な業務に集中できます。
Bitrix24のスマートプロセスオートメーション(SPA)とは?
Bitrix24のスマートプロセスオートメーション(SPA)は、自社独自の業務データとプロセスを作成・管理するための機能です。
Bitrix24 CRMには、リード、取引、連絡先、会社、請求書などの標準的な項目があります。一方、実際の業務では、それだけでは管理しにくい情報もあります。
たとえば、不動産会社なら物件、採用部門なら候補者、購買部門なら購入申請、カスタマーサービスなら問い合わせやクレームといった独自のデータです。
SPAでは、こうした業務に合わせて独自のアイテムを作成し、ステージごとに進捗を管理できます。
主に次のような設定が可能です。
- 業務に合わせたカスタムフィールド
- 複数のパイプライン
- かんばんステージ
- アクセス権限
- 自動化ルールとトリガー
- タスクやCRMなどBitrix24内の他のツールとの関連付け
ステージの変更をきっかけに、担当者へ通知する、タスクを作成する、フィールドを更新するなどの処理も自動化できます。
Bitrix24のCRMと業務プロセスの自動化機能では、SPAのほか、RPA、自動化ルールとトリガーなども利用できます。
RPAとSPAの違い
Bitrix24には、SPAのほかにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)もあります。
どちらも定型業務の自動化に使えますが、向いている用途が異なります。
| RPA | SPA | |
|---|---|---|
| 主な用途 | 申請・承認などの定型ワークフロー | 独自の業務データとプロセスの管理 |
| 例 | 休暇申請、出張申請、請求書・契約書の承認 | 採用管理、購買管理、物件管理、問い合わせ管理 |
| 管理方法 | ステージに沿って申請やタスクを処理 | カスタムフィールド、パイプライン、かんばんステージなどを自由に設定 |
| 向いているケース | 決まった申請・承認フローを効率化したい場合 | 自社独自の業務そのものをシステム化したい場合 |
たとえば、経費申請のように流れが決まっている業務ならRPA、候補者や物件のような独自データを継続的に管理したい場合はSPAが適しています。
企業が業務プロセスを自動化するメリット
業務自動化の目的は、人の仕事をすべてシステムへ置き換えることではありません。
定型処理を減らし、人が判断、企画、顧客対応などに時間を使える状態をつくることが重要です。
- 繰り返し作業にかかる時間を削減できる
- 入力漏れや対応忘れを減らせる
- 担当者による業務手順のばらつきを抑えられる
- 現在どのステージにあるのかを確認しやすくなる
- 担当者間の引き継ぎを標準化できる
- 判断や顧客対応など、人が担うべき業務に集中できる
自動化できる仕事の範囲も広がっています。
McKinsey Global Instituteが2026年5月に発表した「Agents, robots, and us」では、欧州10か国の現在の労働時間の58%が、既存の技術によって理論上は自動化可能と分析されています。
これは58%の雇用がなくなるという意味ではなく、技術的に自動化できる作業時間の割合です。実際の導入には、コスト、規制、業務内容、組織体制なども影響します。
Bitrix24の自動化ソリューションとは?
SPAはCRM内だけでなく、CRMから独立した部門業務にも利用できます。
Bitrix24の自動化ソリューションでは、HR、経理、購買、ITなどの業務ごとに専用のワークスペースを作成し、その中に1つ以上のSPAをまとめて管理できます。
たとえばHR部門なら、
- 採用
- 入社手続き
- オンボーディング
- 研修
- 退職手続き
といった複数のプロセスを同じ自動化ソリューション内で管理できます。
各SPAには、それぞれ独自のフィールド、ステージ、パイプライン、アクセス権限、自動化ルールを設定できます。
定期的に発生する業務では、SPAアイテムの自動作成も可能です。毎月の在庫確認、定期メンテナンス、更新手続きなどを設定したスケジュールに沿って作成できます。
SPAや自動化ソリューションで利用できる機能はプランによって異なります。導入前にプランごとの機能を確認してください。
Bitrix24のSPA活用例:採用管理
SPAの具体例として、採用プロセスを見てみましょう。
採用では、候補者ごとに応募情報、履歴書、面接日程、選考状況などを管理する必要があります。SPAを使えば、こうした情報と進捗を1つのプロセスにまとめられます。
1. 採用ステージを設定する
まず、実際の選考フローに合わせてステージを作成します。
- 応募受付
- 書類選考
- 一次面接
- 最終面接
- 内定
- 採用
候補者を次のステージへ移動すると、かんばん上でも現在の選考状況を確認できます。
2. 候補者情報をカスタムフィールドで管理する
次に、採用業務に必要なフィールドを追加します。
- 氏名
- 応募職種
- メールアドレス・電話番号
- 履歴書・職務経歴書
- ポートフォリオ
- 面接担当者
- 面接予定日
- 選考メモ
標準的なCRM項目に業務を合わせるのではなく、実際の採用フローに必要なデータ構造を作れることがSPAの特徴です。
3. ステージに合わせて処理を自動化する
自動化ルールとトリガーを設定すると、選考ステージに応じた処理を自動実行できます。
たとえば候補者が「一次面接」へ進んだときに、
- 面接担当者へタスクを作成する
- 担当者へ通知する
- 必要な情報を更新する
- 候補者への連絡を自動化する
といった流れを設定できます。
候補者ごとに同じ作業を繰り返す必要がなくなり、採用担当者は選考やコミュニケーションに集中しやすくなります。
どの業務から自動化すべき?
最初からすべての業務を自動化する必要はありません。
まずは、次の条件に当てはまる業務から検討すると効果を確認しやすくなります。
- 同じ手順を何度も繰り返している
- 担当者間の引き継ぎが多い
- 入力漏れや対応忘れが起きやすい
- 現在の進捗を確認するのに時間がかかる
- 同じ通知やタスクを毎回手動で作成している
- Excelやメールで管理しており、情報が分散している
まず1つのプロセスを整理し、ステージ、担当者、必要な情報、自動化する処理を明確にすることがポイントです。
Bitrix24のSPAなら、既存の業務フローに合わせてカスタムフィールド、かんばんステージ、アクセス権限、自動化ルールを組み合わせ、自社独自のプロセスを構築できます。
よくある質問
スマートプロセスオートメーション(SPA)とは?
Bitrix24で独自の業務データやプロセスを作成・自動化するための機能です。カスタムフィールド、パイプライン、かんばんステージ、アクセス権限、自動化ルールなどを組み合わせて利用できます。
RPAとSPAの違いは?
RPAは休暇申請や請求書承認など、決められた流れを持つ定型ワークフローの自動化に適しています。SPAは、候補者、物件、購入申請など、自社独自のデータと業務プロセスを作成して管理したい場合に向いています。
SPAはCRM以外の業務にも使える?
はい。Bitrix24の自動化ソリューションを利用すれば、HR、経理、購買、ITなど、CRMとは独立した部門業務にもSPAを活用できます。