CRMに保存すべき4種類の顧客データ|整理・活用のポイント
CRMの価値は、保存されているデータの量だけでは決まりません。
顧客情報が最新の状態に保たれ、必要なときにすぐ確認できるよう整理されていれば、営業やマーケティング、カスタマーサービスのさまざまな場面で活用できます。
一方、古い連絡先や重複データ、不完全な情報が増えると、せっかくCRMを導入していても、分析や自動化の精度が下がってしまいます。
この記事では、CRMに保存しておきたい4種類の顧客データと、情報を使いやすい状態に保つための整理方法を紹介します。
CRMデータを整理する3つのメリット
1. 営業・マーケティングの精度を高められる
CRMに蓄積された顧客情報を活用すると、すべての顧客へ同じアプローチをするのではなく、属性や購入履歴、興味・関心、過去の行動に合わせて対応できます。
たとえば、過去に購入した商品やWebサイトでの行動、キャンペーンへの反応などを確認すれば、その顧客に合った商品や情報を提案しやすくなります。
反対に、メールアドレスが古い、購入履歴が正しく記録されていない、同じ顧客が複数登録されているといった状態では、ターゲティングやパーソナライズの精度も下がります。
CRMへの投資を成果につなげるには、「データを保存すること」ではなく、「使えるデータを維持すること」が欠かせません。
2. 顧客理解を深め、判断のブレを減らせる
売上やコンバージョンだけを見ても、「なぜ購入したのか」「なぜ離脱したのか」まではわかりません。
購入頻度や平均購入額といった数値に加えて、顧客のニーズ、購入理由、フィードバックなどをCRMに蓄積しておくと、顧客像をより立体的に捉えられます。
営業やマーケティング施策を考える際にも、担当者の感覚だけではなく、過去のデータや顧客の反応をもとに判断できるようになります。
3. チームの生産性を高められる
顧客情報が整理されていれば、担当者がメールやチャット、スプレッドシートを探し回る必要がありません。
連絡先、購入履歴、過去のやり取り、問い合わせ内容などをCRMから確認できれば、担当者が変わった場合でも顧客対応を引き継ぎやすくなります。
また、正確なデータは自動化やAIを活用するうえでも重要です。入力されている情報自体が不正確であれば、それをもとにした分析や自動処理の結果も信頼しにくくなります。
CRMデータの品質が低いと何が起こる?
CRMデータの品質が低い状態には、次のようなケースがあります。
- 必要な情報が入力されていない
- 住所や連絡先が古い
- 誤ったフィールドにデータが登録されている
- 日付や電話番号などの入力形式が統一されていない
- 同じ顧客が複数登録されている
- 購入履歴や対応履歴が一部のシステムにしか残っていない
CRMデータの品質は、単なる「データ整理」の問題ではありません。
Validityが2025年にCRMユーザーや関係者602人を対象に実施した調査では、37%が「CRMデータの品質が低いことによって直接的な売上損失が発生した」と回答しています。
さらに、76%は「正確かつ完全なCRMデータは全体の半分未満」と回答し、45%は自社のCRMデータについて「AIを効果的に活用できる状態ではない」としています。
古い連絡先へのメール配信、同じ顧客への重複したアプローチ、間違った属性にもとづくキャンペーンなどは、マーケティング費用を無駄にするだけでなく、顧客体験を損なう原因にもなります。
CRMデータは一度整理して終わりではなく、継続的に更新していく必要があります。
CRMに保存しておきたい4種類の顧客データ
CRMに必要な情報は、業種や商品、顧客との関係によって異なります。
特にB2Cビジネスでは、基本的な連絡先に加えて、顧客の属性、行動、購入履歴、フィードバックなどを組み合わせることで、顧客一人ひとりに合った対応がしやすくなります。
1. 顧客の基本情報
最も基本となるのは、顧客を識別し、必要なときに連絡するための情報です。
- 氏名:顧客の姓・名
- 生年月日:誕生日特典など、サービス上必要な場合に利用
- 住所:商品の配送やサービス提供に必要な所在地
- メールアドレス・電話番号:顧客との主な連絡手段
- 希望する連絡方法:メール、電話、メッセージなど
- ソーシャルメディア:業務上必要な場合のSNSアカウント情報
基本情報が正確に管理されていると、問い合わせ対応や注文処理、キャンペーン配信などもスムーズになります。
2. 顧客属性・プロフィールデータ
顧客属性データは、「どのような顧客なのか」を理解するための情報です。
B2Cの場合、商品やサービスによって次のような情報が役立つことがあります。
- 年齢層:商品やコンテンツのターゲティングに利用
- 職業・専門分野:サービスとの関連性がある場合に記録
- 収入・予算に関する情報:価格帯や購入可能性を判断する必要がある場合
- 家族構成:旅行、住宅、教育、保険など、家族構成が商品選びに関係する場合
- ライフスタイルや興味:趣味、関心分野、利用シーンなど
- 商品・サービスの好み:カテゴリー、ブランド、サイズ、カラーなど
ただし、情報は多ければ多いほどよいわけではありません。
日本で個人情報を取り扱う場合は、利用目的をできる限り具体的に定め、その目的に必要な範囲で利用することが求められます。自社の商品やサービスに関係のない情報までCRMへ蓄積するのではなく、実際に顧客対応やマーケティングに必要な項目を選びましょう。
3. 定量データ
定量データは、顧客の行動を数値で把握するための情報です。
たとえば、次のようなデータがあります。
- 購入回数
- 平均購入金額
- 最終購入日
- Webサイトへの訪問回数
- キャンペーンへの反応
- クーポンや特典の利用回数
- 問い合わせ件数
- 返品・交換の回数
こうした数値を継続的に確認すると、どの顧客が頻繁に購入しているのか、しばらく利用していない顧客は誰か、どの施策に反応しやすいのかといった傾向が見えてきます。
セグメント作成やリピート施策、休眠顧客へのアプローチを考える際にも活用できます。
4. 定性データ
数値だけでは、顧客が商品を選んだ理由や、サービスに対してどのように感じているのかまでは把握できません。
そこで役立つのが、アンケートや問い合わせ、レビュー、会話などから得られる定性データです。
- 商品を選んだ理由
- 購入を決めるうえで重視したこと
- 商品・サービスに対する満足度
- 購入を見送った理由
- 困っていることや改善してほしい点
- 次に利用したい商品やサービス
顧客自身の言葉を残しておくことで、購入履歴やアクセス数だけではわからないニーズを理解できます。
営業やカスタマーサービスで得た情報を担当者個人のメモだけに残すのではなく、必要な内容をCRMへ共有しておけば、次回の対応にも活かせます。
顧客データを、営業・マーケティングで使える情報に
Bitrix24なら、リード、取引、連絡先、会社、対応履歴などをCRMで一元管理できます。カスタムフィールドや自動化を使って、自社に合った顧客管理環境を構築できます。
Bitrix24を無料で始めるCRMデータを使いやすく整理する方法
必要な情報を集めても、CRMの中で整理されていなければ活用しにくくなります。
ここでは、顧客データを見つけやすく、更新しやすい状態に保つための代表的な方法を紹介します。
顧客ライフサイクルで整理する
顧客との関係は、最初の接点から購入、リピートへと変化していきます。
B2Cでは、たとえば次のような流れで整理できます。
購読・会員登録 → 見込み顧客 → 検討中 → 初回購入 → リピート顧客 → ロイヤル顧客
実際の名称やステージは、商品、販売方法、利用しているCRMによって異なります。
大切なのは、顧客が現在どの段階にいるのかをチームで共有できるようにすることです。
初回購入前の顧客と、すでに何度も利用している顧客では、適切なコミュニケーションやオファーも変わります。
対応状況をステータスで管理する
顧客ライフサイクルとは別に、「現在どこまで対応しているのか」を示すステータスを設ける方法もあります。
たとえば、
- 未対応
- 連絡済み
- フォロー中
- 再連絡予定
- 購入・成約
- 対象外
などです。
複数の担当者が顧客対応を行う場合でも、最後に誰が何をしたのかを確認できれば、同じ問い合わせへの重複対応や連絡漏れを防ぎやすくなります。
カスタムフィールドを活用する
CRMに標準で用意されている項目だけでは、自社の商品やサービスに必要な情報をすべて管理できないことがあります。
その場合は、カスタムフィールドを追加します。
たとえば、よく購入するカテゴリー、会員ランク、店舗、利用目的、希望する連絡方法など、自社独自の情報を記録できます。
ただし、項目を増やしすぎると入力の負担が大きくなり、かえってデータが埋まらなくなることもあります。「この情報を何に使うのか」が明確な項目だけを追加するのがポイントです。
重複・古いデータを定期的に見直す
同じ顧客が複数登録されていると、購入履歴や対応履歴が分散し、正しい顧客像を把握しにくくなります。
メールアドレスや電話番号なども時間とともに変わるため、CRMデータは定期的な見直しが必要です。
重複データの確認、不要なレコードの整理、入力形式の統一などを定期的に行うことで、CRMを使いやすい状態に保てます。
Bitrix24でCRMデータを一元管理
Bitrix24 CRMでは、リード、取引、連絡先、会社などの情報を1つの環境で管理できます。
顧客プロフィールには、連絡先情報だけでなく、関連するリードや取引、過去の対応履歴などをまとめて表示できます。
自社独自の情報を管理したい場合は、カスタムフィールドを追加できます。CRMフィールドにはアクセス権限を設定することもできるため、情報によって閲覧できるユーザーを分けることも可能です。
また、重複管理機能を使えば、同じ顧客が複数登録されていないかを確認し、CRMデータを整理できます。
Webフォーム、メール、電話、ライブチャット、メッセンジャーなどから届いた問い合わせをコンタクトセンター経由でCRMへ取り込むこともできます。
さらに、CRMのCoPilotでは、通話内容の文字起こしやCRMフィールドへの自動入力、営業スクリプトの分析など、AIを使った営業支援にも対応しています。
顧客データを複数のツールに分散させず、収集、整理、対応、分析まで同じCRMでつなげたい場合に活用できます。
CRMデータは「集めること」より「使える状態に保つこと」が大切
CRMには、連絡先だけでなく、顧客属性、購入や行動に関する数値、顧客自身の声など、さまざまな情報を保存できます。
特にB2Cでは、基本情報、顧客属性・プロフィールデータ、定量データ、定性データを組み合わせることで、顧客一人ひとりの状況をより深く理解できます。
ただし、情報を増やすこと自体が目的ではありません。
必要なデータを適切な目的で収集し、重複や古い情報を減らしながら、営業、マーケティング、カスタマーサービスで使える状態を維持することが大切です。
CRMを導入したら、まず「どのデータが本当に必要か」「誰が更新するのか」「どのように活用するのか」を整理するところから始めてみましょう。